タイ式生活様式で猛暑を乗り切る

今日は世俗の話です。毎日猛暑日が続いて、熱中症による死者が、今は年に千五百人を超えています。昔タイ人の友人に、日本では暑さで死ぬ人がいると話した時、「タイには暑さで死ぬ人はいない。反対に、年によっては寒さで死ぬ人がいる」と言ったのを思い出します。

 

タイは寒さに慣れてなく、貧しい家では夜具が十分ないので、たまに強い寒波が来ると、東北地方などでは凍死する事故がありました。(経済が良くなった今はどうか知りません)。

 

日本で熱中症で死者が出るのは、猛暑の対策に慣れていないからだと思います。世界にはもっと暑い国もたくさんあり、当然そうした国では、まだ冷房はそれほど普及していないからです。

 

私は、すべてのタイ旅行の日程の半分くらいの日数は友人の家に泊まり、その生活を見て来ました。タイ人の暑さ対策は、何より水浴だと思います。朝起きると必ず水浴し、仕事から、あるいは外出から戻ると水浴し、寝るに前も水浴し、夜中にじっとり汗をかいて寝苦しい時も水浴することがあります。冷房のない家では、一日家にいると、日に四五回か、それ以上も水浴をします。水浴をすると汗で塞がっていた全身の毛穴が開くので、汗が出られるようになって体温が下がり、しばらくは快適に過ごせます。

 

シャワーや水浴をすると、汗や熱を流すだけでなく、暑さによる全身の疲れも流れ落ちて、心身の元気が回復します。

 

今「水をたくさん飲むこと」と「冷房を使うこと」が猛暑の対策として叫ばれていますが、救急搬送される人も死亡者も年々増える一方なので、ある人たちにとっては実行できない、あるいは実行したくない方法なのかもしれません。

   

私は冷房を使わない体験が十年くらいあり、住まいは熊谷市にも近いのでかなりの猛暑日もありましたが、タイ人式の生活様式で暑さによる不調は来たさずに済みました。

   

暑い日は日に何度でも水浴をし、開放的(ぶかぶか)な服装でいること。そして「暑い」と感じたら、時々冷水で手を冷やすとか、保冷剤で首や腋下を冷やすなどして、血液を熱くしない工夫をすると良いと思います。

また、スイカやキュウリ、冬瓜、緑豆、緑豆春雨、菊茶などを食べると、その後しばらく涼しくなりますが、体が冷える人は、観察しながら試してみてください。

 

人間は必ず何かで死ななくてはならないので、熱中症死は苦が少ないので悪くないと思いますが、物理的な方法で避けられるなら、避けるに越したことはありません。