朝方の危機

最低気温が真冬並みの日が続いた先週のある朝、明け方にトイレに目が覚めて、いつものようにトイレに行き、用を足して、ペーパーを巻き取ったことまでは憶えているのですが、気が付いたら座椅子に寝ているような姿勢で(我が家には座椅子はありません)、怪訝に思って右腕を動かすと便器が触れたので、便器と壁の狭い空間にいるらしいと分かり、立ち上がって部屋に戻りました。

 

気づいた時パジャマのズボンは上げてあったので、立ち上がってから倒れたのでしょう。体は冷えてなかったので、意識を失っていた時間は、長くなかったようです。

 

なぜ倒れたのか、何が原因なのか分かりませんでしたが、年寄ならこういうこともあり得るし、自然なことのように思いました。子に話したらネットで調べて、ヒートショックの症状らしいと分かりました。ヒートショックは入浴時に多いと聞いていましたが、朝方は一番寒い時刻なので、放尿により、より体温が下がり、血管が急速に収縮して、一時的に高血圧になるらしいです。あるいは立ち上がった時に、急に血圧が下がったのかも知れません。

 

それとも、一瞬心臓が拍動を止めたので倒れたのかどうか、詳しいことは知りませんが、あれで死んでしまうなら、痛いも苦しいもなく、本当に楽だと思いました。

 

しばらく前に兄が電話で、夜半に便意を感じ、なかなか出ず、座っていると突然床に倒れてしまい、意識はあっても金縛りのように体が動かなくなり、しばらくそうするうちに、元に戻ったと話していました。夜中の便意は脾陽虚という症状(腸の内容物を保持しておく力の不足)だと思いますが、倒れたのは、温かい居間から寒いトイレに行ったことによるヒートショックか、力んだことによる血圧の問題かもしれません。

 

そして私も転倒した日の前後数日は、胃が重いように感じたので、脾(消化器官を司っている)の調子と関連があるのかも知れません。

 

入浴時は温度差に気をつけ、出る時は浴室の中で身体を拭き、外に置いてある下着だけを素早く浴室に入れて、浴室内で着、それから洗面所でパジャマを着ると、外の寒さをあまり感じないので、年寄には良い方法だと実行していました。

 

しかし夜中のトイレでもヒートショックがあるとは知りませんでした。真冬の夜にトイレに行く時は、分厚いベストを羽織っていましたが、最近温かくなったので、数日だけ寒さが戻っても、防寒ベストを来ていませんでした。考えて見れば夜具の中は体温に近い36度くらいあり、トイレの室温はたぶん15、6度くらいで差が大きく、浴場にも劣らず危険だと知りました。

 

同時に、死はいつでも、影のように身に付いていて、突然任務を果たすと再認識しました。ダンマがある時は「今、一秒後に心臓が止まることもある」と考えても、ダンマがなくなれば、「まだしばらくは死にはしない」と考えて、時間を無駄にしてしまっていました。死は、ほんの一瞬の隙を狙っていると感じました。