積もり積もった妄語の結果

 

ウクライナがこれからどうなってしまうのか、世界が注目していますが、誰にも分かりません。香港が中国に返還されて、しばらくは英国統治時代と同じ自由がありましたが、次第に中国の干渉が強まり、やがて本国と一体になるように見えます。

 

英国が統治していた時代、一時は自由な国(地域)になりましたが、住んでいる人は本土と同じ民族で、言語も文化も習慣も同じです。街は、多少西欧化したように見えますが、人々の習性や伝統は中国人と何ら変わりません。だから多くの人のカンマは、中国本土の人のカンマと違わないと思います。

 

カンマが同種なら、受け取る結果も同種です。ほとんどの国民に共通のカンマは、同じ結果を受け取るために、本国と同じの制度になる必要が生じます。だから、ロシア・中国・北朝鮮など、報道統制をして事実に基づかない報道をし、国民が真実を知ることができない国の国民の多くは、「不妄語戒」がないと推測できます。不妄語を言わない人、あるいは正語(本当のことを言う。友好的に話す。丁寧な言葉を使う。利益になることを話す)がある人が、偽りの報道を受け取り、真実を知ることを妨害されることはあり得ないからです。

 

香港の人でも、中国本土の人のように不妄語戒、あるいは正語なければ、一時は自由を味わうことができも、長い間には、本土と同じように情報統制を受け、偽りの情報を受け取らなければならなくなります。時代の流れ、世界の流れとして、強制から解放へ、統制から自由へ変化すると見ていましたが、香港が時代の流れに逆らう結果になったのを見ると、それは大多数のカンマの結果以外にないと思います。

 

当然他にも、貧富の問題、プライバシーのない問題などにも、それらの原因になる共通のカンマがあるはずですが、妄語、あるいは不正語だけでも、この国に生まれること、その国民になることは決定すると思います。

 

日本も、先の大戦中は自由な発言を禁止され、事実でない報道がありました。だから共産主義国、元共産主義国のように多くはなくても、長年の間に積もった不正語の結果をまとめて受け取らなければならなかったのでしょう。

 

貧富の差だけなら一つの国で間に合いますが、(中国と台湾、北朝鮮と韓国のように)同じ民族で、恐怖政治と、民主的な政治に分かれるのは、脅威や権力に関わるカンマの違いがあると思います。

洋の東西を問わず、軍人による恐怖政治は、アジアや中東、東欧など、父権の強い国に見られ、家長制度のない欧米には見られないように感じます。父権と政治は関連があるかもしれません。

 

日常的に話す小さな嘘を重大問題と見る人はいませんが、多数の人の習性になって集積すると、恐怖政治下での暮らしという、恐ろしい結果になります。そういう意味で、宗教の戒(あるいは基本的な道徳)があることは、確実に平穏な暮らしと関りがあると見えます。