因と果の系図

父は、当時は当たり前だった見合いで結婚をして、四十歳を過ぎて若い女性に出会って夢中になり、山林や田地田畑家屋敷を全部母に譲って身一つで家を出るから、離縁してほしいと母に懇願しました。母は夫の浮気を止めさせようと奔走し、相手の女性の父親に連絡することで、離婚の危機を回避しました。

 

父は浮気で母を苦しめたカンマで、子の結婚話の度に(父にとって)問題があって苦痛を味わい、最後には、どんなに説得しても(道徳的問題のある相手を)諦めない娘の先々を心配して、その話が出て一週間後に、心筋梗塞で急死しました。(つまり晩節にカンマの結果を受け取りました)。

 

父と彼女との仲を引き裂いた母は、そのカンマで、晩年同居する息子から、子供に会うことも電話することも禁じられました。

 

真子様が選んだお相手の家の金銭トラブルが公表されてからの秋篠宮様を拝見すると、晩年の父の苦悩を思わずにはいられません。父は娘が恋愛する度、結婚話が出るたびに、口に出せない苦悩を感じていたと思います。宮様はご自身のご結婚の時、無理のあるお相手を選んで両陛下を困らせられたので、そのカンマで出口の見えない真子様の結婚問題が生じたように拝見します。

 

私自身の結婚も、父がカンマの結果を受け取る縁になり、少なからず父を苦しめたので、私自身も子が恋愛する度に嬉しくない思いをしました。しかし苦悩というほどではありませんでした。

 

父の死の切っ掛けを作った妹は、子の一人が、その時とよく似た構図の結婚をしました

 

母の晩年に母の行動を制限した兄は、母の死後ずっと一人暮らしなので、どんな形で報いがあるのかと思ったら、昨年春からのコロナ禍で、唯一の楽しみだった老人福祉センター(温泉施設)が閉鎖されて「人間は何を欲しがるかと言えば、最後には人との触れ合い(交流)だと感じたよ」と、最近電話で言っていました。コロナ禍で人恋しい思いをしている人は多いと思いますが、カンマの結果であれば、兄が感じている人恋しさは一入と思いました。

 

Aが原因(カンマ)を作ると、Bがそのカンマの報いを生じさせる出来事の縁になり、BがAにした行為のカンマの報いを生じさせるために、Cという縁が必要になり、CはBのカンマの結果を生じさせたカンマにより、Dを縁にして報いを受け取るというように、親から複数の子、子から孫に、幾つもの方向に、次々と縁に依存して波紋のように伝わっていきます。カンマが見えない人には、ただ「親子の性質は遺伝する」と見えるだけかもしれません。