ブッダのホロスコープ

 

占星学で個人を占う時は、ホロスコープ、あるいは出生図と呼ばれる図を使います。十二房あるみかんを輪切りにした面のような図で、十二の室に十二の星座が入ります。そして占う人が生まれた日の生まれた時刻に天空にあった惑星を、ミカンの輪切りのような図に書き込んで、それぞれの惑星が位置する星座と室(ハウス)を見、他の惑星と作り出す角度を見て、様々な情報を読みます。

 

出生図を見れば、その人はどのような性質で、どのような生き方をする傾向があるか推測できます。しかし出生時の天体が表すものは、その時生まれた人の過去の情報を示すものであり、将来を予言する物ではありません。過去世ではこのような習性があったと分かれば、その習性が現世も残っている可能性が高いので、そのような習性があれば、結果である人生はどのようか、原因(習性)と結果(人生の傾向)を教えています。

 

普通は生まれた人の生年月日と時刻、出生地などを元に出生図を作成しますが、出生年月日が明らかでない人の場合、出生図を先に作って、それから出生日時を特定することも理論的には可能なはずです。

 

ブッダヴァチャナ・シリーズの本を読んでブッダの色んな面を知る度に、占い師の性で、「これは何星が何座にあるのではないか」「これは何星が何室にあるのではないか」「これは何星と何星が何十度離れているではないか」と推測してしまうことが度々あります。

 

ブッダは、太陰暦六月十五日生まれであることは分かっていますが、誕生年は何年と確定されてなく、幾つかの説があります。そこで、ブッダの出生図を推測で作成すれば、生年が特定できる可能性があります。

 

十二房あるミカンの輪切りのような図を紙に描き、時計なら9の数字がある場所を出生点とし、時計の8までの間を1室、時計の7までの間を2室、時計の6までの間を3室と、左回りに室番号をふり、十二の室を作ります。そしていろんな経で推測できる情報から、どこに何の星があるか推測してみます。

 

 

ブッダの誕生日は陰暦6月15日なので、太陽暦では5月か6月で、牡牛座か双子座になります。

 

・満月の日の生まれなので、月は太陽と反対側の蠍座か射手座にあります。

 

ブッダは獅子のような姿をしていたとあるので、1室(アセンダント)は獅子座と推測できます。アセンダント獅子座の人は、威厳のある立派な風貌をしています。

 

・徹底的な訓練と特殊な経験で才能を開花させ、不可思議な人格の変容を遂げているので、冥王星が1室(獅子座)にあると推測できます。1室が獅子座だと、双子座は時計の12の所にある10室で、太陽は十室、牡牛座なら9室にあると推測できます。

 

・幼い時から、三つの季節を快適に過ごせるよう作られた三つの城を移動していた(つまり引っ越しが多い)こと、生涯が旅だったこと、晩年故郷へ戻ろうとしたことなどから、4室に月が入ると推測できます。

 

・満月の日の生まれなので、太陽と月は180度前後離れているので、月が4室にあれば推測できるので、太陽は10室にあると思われます。

 

・大悟する前夜に「この体の血肉が干からびて骨と皮だけになっても、真実を悟るまでここから立ち上がらない」と言われた主旨の誓願を読むと、1室(獅子座)にある火星と冥王星は八度以内にあると推測できます。火星と冥王星が接近していると、目的を遂げるか倒れるまで働く人だからです。

 

・義母であるパチャバディー王女が出家する時のやり取りを読むと、女性の扱いが苦手のように見られますが、火星が獅子座にあると、そういう傾向があります。

 

・旅は楽しみでなく、仕事のためだったので、土星が9室にあると推測します。この人は深刻な研究課題に取り組む人です。

 

木星が9室にあれば聖職による学問の完成、哲学的な考えと慈悲心が人格的力を強化するとあり、10室にあれば、何をしても社会的に尊敬される人になり、教育や専門職、実業家、公職に向いているので、どちらもあり得ますが、9室の方が可能性は高いと思います。

 

・王家や将軍家などに生まれた人、嫁ぐ人はほとんどすべて4室に天王星があるので、ブッダもそうであろうと推測します。4室にある天王星と10室にある太陽が180度離れていれば、父と考え方が違い、父子関係の問題があり、結婚後は、社会的に成功しても、家庭の不満を招きます。

 

・水星と金星はいつでも太陽の近くにいるので、8室から12室の間にあるはずですが、あまり重要でないので、良く分かりません。天王星海王星は、推測するにも、強い根拠がないので、正直良く分かりません。

 

以上の理由で、

1室の獅子座は、冥王星と火星があり、

4室には月があり、(天王星もあるかも)

9室には土星木星、金星、水星があり、

10室、双子座に太陽があると思われます。

 

特に注目すべきは、1室、獅子座にある冥王星です。冥王星の周期は248年なので、千年に四周、ブッダの死後2500年の間に10周くらいしか廻っていません。だから、仏歴の紀元と言われているBC543年に近い頃の、冥王星が獅子座にあった年を探します。冥王星が一つの星座に滞在するのは約20年間で、その間に、火星が獅子座にあった年を探すと、火星は周期が687日で、二年弱に一回、50日ほどあり、冥王星が獅子座にある約20年の間に、十回くらいあります。これで500日くらいに絞られます。

 

冥王星が獅子座にある20数年の間に、土星は一巡しないので、土星牡羊座から牡牛座、双子座辺りにある時を探します。それは二年余りしかないので、その中で、上記の条件を満たす年がブッダの生まれた年と分かります。

そしてその中に太陽が牡牛座か双子座で、月と180度離れている日を探せば、正確なブッダの出生図を作ることができます。

 

星座の位置情報が分かるサイトもありますが、無料で使えるのはせいぜい百年間くらいで、紀元前のことなど知る由もありません。最後に冥王星が獅子座にあったのは1937年(10月)から1958年頃までで、単純に1937から248×10を引くと、十回前に冥王星が獅子座にあったのは紀元前543年から20年間くらいになります。

 

タイで使っている仏歴では、紀元がBC543年ですが、それはブッダが涅槃した年を紀元にしていると言われています。ブッダの死を紀元にしていれば、ブッダが生まれたのは、それより80年前、BC623年になり、冥王星は三分の一周ほどずれてしまいます。

このような単純な計算は、使い物にならないかもしれませんが、BC543年の5月か6月頃、あるいはそれに近い年で、火星が獅子座に入るかどうか。このややこしい計算をしてくださる人が現れれば、ブッダの生年を特定できるように思います。